この手のアルバムとしては、やはりどうしてもプレフーズ73や、同じニンジャ・チューンのDj Shadowなんかを考えてしまいますが、それらと比べてもちょっとこれはすごいです。
ロックとかクラブミュージックやテクノなんかも最近はそうですが、ノイズをいかにして音楽に仕立て上げるかという、00年代世界的・ジャンルを超えたシーンの流行・テーマのようになっていると思います。
ここまで色んなノイズを、ともすれば退屈なビートのループのせいで、すぐに飽きが来がちなヒップホップという一つの音楽の中で、面白く飽きない形で仕立て上げるDj Kentaroのテクはもちろん、センスにも恐れ入りました。
ある意味、シュトックハウゼンを彷彿とさせます。
特にすごいと思ったのがThe Pharcideをフィーチャーした曲とOne Hand Blizard。
前者はImaniのソロアルバムに代表されるような、あのリラックスしきった楽しい感じはどこにもなく、壊れてチューニングがおかしくなったテレビがリズムを獲得したかのようなノイズの中、The Pharcideが彼ら名義の作品と同じようにのびのびとライムを紡ぐ様子は、ものすごく不思議。
一方、ジャンルを問わず名盤からのサンプルを引っ張ってきてイントロを作ったOne Hand Blizardは、Aphex TwinやSquarepusherも真っ青の、身も凍るような音色のサンプルを刻み、インダストリアルテクノを展開したかと思ったら、それがいつの間にかレゲエになるという、ちょっと信じられないことを平然とやってのけています。
また、Little Tempoのフィーチャー曲がありますが、Little Tempoのあの音楽的なのびやかさなどどこにもないのに、そのクオリティーは別次元。
すごいです、ホント。
ノイズが音楽している音楽の中では、極めて秀逸です。
この手の音楽が好きなら間違いなく買いでしょう。