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それは、「エレクトロニカ」、分かりやすく例えるなら、ボーズ・オブ・カナダの音楽に象徴されるような、歌メロなしの電子音のみで、こんなにまで情景を表現できるのかという、新しい音楽的驚きをもたらしてくれたジャンルの中でも、フェネズは、「ノイズ」という、これまで確立されてきたエレクトロニカの中でも異端の分野に取り組みながら、如何なるエレクトロニカも鳴らすことのできなかった、「エモーション」を鳴らしているという点に尽きる。
素人目には、"プチプチ"だの"シャーシャー"言っているだけのノイズが、フェネズの知性と意志により、常軌を逸するほど、「メロディック」に音楽を物語る。
『エンドレス・サマー』というタイトルは、外れているようで当たっている。
この作品の描き出したエモーションとは、夏の終わりを思わすような、切なさである。
しかし、この極めて実験性に富んだ情景の描き方は、「実験」に捕らわれず、エンドレスな「普遍」へと続く。
この男の他の作品は、あくまで「実験」なノイズ・インプロ作が多い中、この『エンドレス・サマー』だけは、一般的なエレクトロニカ・ファンだけでなく、幅広い音楽ファンが聴くべき、歴史的名作である。
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