4オクターブの広音域を持つシンガー:ジェフ・テイトを擁する QUEENSRYCHE (クイーンズライク)。『Empire』 は、全世界で400万枚以上を売上げた最大のヒット作である。
「冷たく近付きがたい」と言われた、それまでの作風から、少し暖かみのあるメロディーを導入。聴きやすさが増したことで、一気に知名度を上げた。ラジオ向けのバラード「静寂」や、ロッカーナンバー「Empire」のヒットも、セールスを押し上げた。
しかし、本作の主題はやはりオープニング曲の「Best I Can」だろう。「銃」の問題を歌った社会派のナンバーで、この曲を外したら 『Empire』 は成立しない。
父親の部屋で遊んでいた少年が、銃を見つけ、暴発により下半身の自由を失ってしまう。車椅子となった少年の「再起」を描いた曲である。「多忙な男になってやる」「動けない分、物を見る力を付けるんだ」「雑誌に記事を書きたい」「出来る限りのことをやってやる!」と歌う。シリアスだがポジティヴな、特徴的な旋律をしている。冒頭の少年の歌は、ウィーン少年合唱団のソリストの声である。
実は演奏も相当に上手いが、このバンドは歌詞が凄い。毎回繰り出される、トータル・コンセプトの物語が、アルバムに確固たる「存在感」を与えていると思う。