ストーンズは、ブライアン・ジョーンズ在籍時を前期、ミック・テイラー在籍時を中期とすれば、ロンウッド加入後は後期という区分。だけど忘れてはならないのがビル・ワイマン(ベース)の存在だ。
このアルバムを聴くと、リードギターが目立たなくなった分、ドラムとベースが際立っている。標題曲のエモーショナル・レスキューでは、ギターでは真似のできない独特で印象深いベースラインを残しているし、センド・イット・トゥー・ミー(→個人的にはレゲエの最高傑作だと考えている)やオール・アバウト・ユーなどミディアム・スローテンポな曲において、音数を抑えたメロディアスなベースラインを響かせている。ストーンズが、ブルースをやってもR&Bをやってもレゲエをやっても洗練されたブリティッシュ・ロックになってしまうのは、実はビル・ワイマンの功績が大きいのだと改めて感じる。
ダリル・ジョーンズの上手さは否定しないが、ビル・ワイマン脱退後のストーンズに物足りなさを感じるのは私だけではないと思う。
ポール・マッカートニー(BEATLES)しかり、ジョン・エントウィッスル(WHO)しかり、クリス・スクワイヤー(YES)しかり、ジョン・ポール・ジョーンズ(ZEP)しかり、ジョン・ディーコン(QUEEN)しかり…。ブリティッシュ・ロックの大御所バンドはすべからくベーシスト作り出すアンサンブルが素晴らしい。たぶん、ミュージシャンの根底にシンフォニーに根ざしたルーツがあるからだろう。