75年の4th。老人エミールジャコタイの語る昔話という設定のコンセプト作。前作までの沈み込むようなダークさは後退、全体に牧歌的でほのぼの。前作の激しく浮き沈みする派手な曲調を期待すると拍子抜け、弾き語り風のポップな曲が目立つ。正直最初はあまり好きではなかったが、聞いてる内に味が出てくる。ANGEはシアトリカルという点ばかり強調されるが、素朴な歌モノとして魅力的な曲も多い。シアトリカルと言ってもヘタウマ的なものではなく、クリスチャンデカンは純粋に素晴らしい歌い手。そういう部分をよく味わえるのが本作。フランスの片田舎が思い浮かぶ。
「BELE BELE PETITE CHEVRE」はドタバタ疾走。メェメェと山羊の鳴き声をまねる。「SUR LA TRACE DES FEES」はアコギ伴奏で語りかけるようなボーカルが、オルガン等とともに雄大な広がりへ。「LE NAIN DE STANISLAS」はカラフルでスピード感がある。中盤、語りとともに増すシリアスさ、切なく駆ける演奏の中から熱いギターソロが立ち上がる…ドラマチック。「JOUR APRES JOUR」はシンプル、フォーク的。「ODE A EMILE」も弾き語り風だが、幻想的なオルガンが広がってきたり、背景がどんどん充実。名曲。「EGO ET DEUS」は飛び跳ね突進、わめき散らすボーカル。途中、怪しくおどける場面が良い。「J’IRAI DORMIR PLUS LOIN QUE TON SOMMEIL」は汚い酒場で歌ってそうな雰囲気。「AUREALIA」は寂しげに風にたなびくようなオルガンとアコギ、ボーカルも憂鬱、思わずため息。この曲特に好き。「LES NOCES」前半は重苦しいが、途中から陽気な演奏へ変化。「LE MARCHAND DES PLANETES」は浮遊感ある、スペイシーな曲。