1970年11月20日リリース。彼らのデビュー・アルバム。
1970年の春、結成されたELPは、8月23日プリマスのギルド・ホールでデビューを飾り、その6日後の第3回ワイト島ポップ・フェスティバルに参加、ハモンドとムーグを自在に操るキース・エマーソンのプレイが一躍注目を集めた。
そして、注目のデビュー・アルバムである。プログレ・ファンとてしては、耳の奥底に残るキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』・『ポセイドン・キングのめざめ』での深遠な『声』の持ち主グレッグ・レイクがその場所に安住することなく、歩み出したこのトリオの音楽はどんなものなのかに注目が集まった。しかしその深遠さ・幅広さはこのファーストだけではとても出し尽くされてはいない。このアルバムはやりたい音楽をひとつひとつやって行く最初の一歩である。しかしながら、やりたい音楽の端々が既にこのアルバムに見え隠れしていたことも事実だ。
スーパー・エレクトリックな『The Barbarian』で始まる本作も本質はアコースティックであるとぼくは思う。2の『Take A Pebble』のプリペアド・ピアノ的なアプローチや4.『The Three Fates』の3部からなる組曲の見事さ。クラシック・ジャズ・ホンキートンク・カントリーといった多種多様な音楽を消化し、自らの美意識で再構成させた後の彼らの音楽のショーケースの様なアルバムである。芸術点満点といった感じです。