サマソニ09での事。
ウェインの入ったボールにはあと一歩で触れなかったものの、
彼らのステージは素晴らしく、大いに満足していました。
ホクホクで帰路につこうとしていたとき、こんな声が聞こえてきました。
「今回もやんなかったな」
「最悪だよ。なんでclouds taste〜以前の曲やんねーの」
・・・・たしかに自分もまったくそれを期待していなかったわけではない。
しかし彼らのオルタナ性を理解しているなら、
過去の再生産、またはそれに伴う安易なファンサービスこそご法度だということを理解すべきではないでしょうか。
今のリップスには今のリップスたる確固としたサウンドがあるのだから。
今自分は非常に愉快な気持ちです。
今作を聞いたら、文句を言っていた彼らはどう思うでしょうか。
見事にやってくれました。
電子音サイケポップ路線のキャリアを生かしつつも大胆な変化をみせています。
ポップソングという土台をとりあえず脇に置き、今回彼らが鳴らしているのは、感情が赴くままの各々の楽器の響き。
イマジネーションをそのまま音にしたかのような、混沌としたオルタナ・ジャムセッションの数々が本作にはぎっしり詰め込まれています。
ポップチューンとしての機能性は残念ながら各々の楽曲にはありません。
曲の構成も理詰めとゆうよりは、スタジオの空気の生生しさを譜面化したようなラフさを感じさせる。
ある程度聞き手は選ぶのは間違いありません。
従来のファンでさえ戸惑う人がいるであろうことも容易に予想がつく。
ただ、軋んだシンセのフレーズに、アナログライクな他の音が絡む様はまさしく今の彼らのシグネチャーサウンドであるし、
soft〜路線の世界観はある程度保たれているので、そこを期待する向きには応えられるサウンドではあると思います。