21世紀に入って、再びその才気を輝かせ始めたエルトン・ジョンの第二集にして、実質的には世界的なデビュー作品である。「君の歌は僕の歌」は70年代前半期を代表する名曲として残されたが、初めて聞いた時は地味な印象しかなかった。
このアルバムは誰かから借りて聞いたのが最初だったが、全体を通じて繰り出されるエルトンの美しい旋律に感心した事を覚えている。特に本作でのそれは際立ち、ロック色の強い3曲〔靴紐、パイロット、鳥篭〕以外は類まれな美しいミディアムテンポで一貫されている。(この3曲だって素晴らしい曲だが・・・)
「60年経って」「境界の歌」等が有名所であるが、「ハイアントンの思い出」や「偉大なる発見」なども聞き逃せない旋律を持っている。彼が未だロッカーやポップ・アイドルになる前のシンガーソングライターと呼ばれた時代の秀作にして、長いキャリアの代表作でもある。先日エルトンのバラードばかりのCDをドライヴ用に編集した、勿論本作から多くを選んでいた。
エルトンのメロディメイカー・センスが気に入っている人にとっては手放せないアルバムであろう。
個人的にはエルトンが20世紀にポップス界における最高のメロディメイカーだと思っている。長い間の実績がそれを物語っている。