800ページ超の本に文字がぎっしりと詰まっているので、字が細かい、と感じる方がいるかもしれません(少なくともわたしはそうでした)。microsoftワードの文字の大きさでいえば"9"あたりだと思います。
東京創元社の単行本版『ポオ全集』三巻目には書簡集なども収録されていますが、この版は純粋に物語と詩のみを網羅的におさめています。校註などはつけられておりませんし、作品の発表年やちょっとした背景の説明なども掲載されていないのが、すこし不親切やもしれません。すべての作品をひたすらにつめ込んだという印象があります。
そして、『詩の原理』をはじめとしたポーの詩論がはいっていないため、全集ではなく、あくまでも"Complete Tales & Poems(全作品集と全詩集)"という点にご留意ください。ポーの世界観を精妙にあらわしているハリー・クラークの口絵等がないというのが、本書の値段を考慮すればいたしかたのないところでしょうか。そういった点を理解した上ならば、十分にお買い得だと思います。