実に4年振りとなる、Marilyn Manson待望のNew Album。
ジャケットやライナーの写真でも分かるように、今作はバンド体制の作品にはなって
おらず、
一種のソロ作品として見た方が良いかも知れません(元々ワンマンバンドでしたが…)
ベスト版発表以降水彩画展や俳優業で忙しくなったり、映画監督に初挑戦みたいな話
も耳に入り、
『もうMansonは音楽に対して関心を無くしちゃったのかなぁ…』なんて思っていまし
たが、
幾年もの交際を経て結婚したDita Von Tesseとの生活が一年にも満たない間に破局し
てしまい、
再び新しい“痛み”を味わった彼が表現の手段として選んだのが、
やはり“唄”であったのが不謹慎ながらも嬉しいと思いました。
サウンド面では前作The Golden Age Of Grotesqueのような、シンセやサンプリング
の打ち込み多用でダンサブル、
かつキャッチーな印象とはまるで違い、ベースからギターにポジションを替えたTim
Skoldの、または彼との共作と思われる、
生音主体(打ち込みを使ってない訳じゃ無いです)陰鬱なミドルテンポの楽曲郡になっ
ています。
ゴミが散らかり、空の酒瓶が転がった暗い部屋の片隅に蹲っているような、
淡々と、ひしひしと伝わってくる憂鬱さがとてもリアルです。
楽曲は前々作Holy Woodと同じか、それ以上にメロディアスで(キャッチーさはそうで
も無いですが)、
ひりひりと焼け付くようなギターソロを従えて唄われるVocalの上手さ、表現力は素晴らしく、
MansonのVocalistとしての凄さを再認識させてくれます。
またドラムパターンも今までとは大分趣が違い、変則的で凝っています。
渋いギターリフのイントロから始まる2.や、躍動的なリズムにチェーンソーのサンプ
リング(シンセのようにも聞こえますが…)が響く3.、
素直で印象的なサビが耳に残る4.や、本作中最もシンセの比率が高い6.、今までに無
い感じのメロディが新鮮な7.等、
“綿密に創り上げられたロックスターとしてのMarilyn Manson”を求めなければ、非
常に聞き込める内容だと思います。
盛り上がりには欠けるかも知れませんが、個人的には非常に好きな作品です。