万博から気がつけば40年が経ちました。家族や友人たちと複数回訪れ、それでも参加のパビリオンの半分も廻れなかったわけで、当時の規模の大きさと混雑ぶりはあの千里にいた者しか分からないでしょう。まさしく我々の未来の夢が広がっていた場ですし、日本全体が夢を追い求めることが可能だった幸せな時代でした。
本書は、そんな当時の万博のパビリオンなどを豊富な写真やデータで当時の状態を再現してくれる貴重な内容が詰まっていました。思い出の中にあった万博がぐっと目の前に表れたような感激を味わっています。
最初に、執筆者の一人の高橋洋二さんと年下の方との対談話(高橋さんの創作)が実に臨場感をもって伝わってきました。あの熱狂と高揚感は同時代を生きた人の共通の感覚でしょうから。良く調べてありますし、確かに記憶の彼方に消えていった事柄を呼び起こしてくれるような内容です。他の執筆者の感想も同感です。皆さん幼かったわけですが、しっかりと記憶していることに感心しました。
コンパニオンさんの服装は、ミニスカート全盛だったのを反映し、とてもキュートです。ファッションとしての変化には乏しい気もしますが、当時のお洒落の最先端を具現化したものだったと思います。
日本館のホステスのお姉さんの服装は良く覚えています。容姿端麗な方が採用されたわけですから、どのパビリオンも素敵な方が案内していたのも好印象です。それは本書の写真をみても頷ける感想でしょう。外国のホステスや外国のタレントの写真が掲載してあります。世界を身近に感じた瞬間でした。
巨大な空気の幌で作られた富士グループ、塔のような古河パビリオン、ドイツ館のシュトックハウゼンの現代音楽など、今でもよく覚えているパビリオンもカラーで紹介してありました。この再会は実に嬉しいことでした。
40ページに掲載してある三菱未来館は長時間の待ち時間で有名でしたが、確かにそこには日本の明るい未来を映しだしていました。
入手がし辛いようですが、このような本の再刊は必要なことではないでしょうか。