「宇宙海賊ミトの大冒険」は、いわゆる深夜アニメのはしりの時代(1990年代末期)に、いきなり登場した深夜版TVまんがであった、
60年代スペースオペラのごとき宇宙観に手塚的な内包されたエロス、風光明媚な日本の風景に宇宙船のマッチング、過剰なほど重いストーリィを払拭するべく、マンガチックなデザイン(初期東映動画の劇場作品をモチーフとした、同時期のオジャ魔女どれみの関先生にもみられるディフォルメ。)のキャラクターが元気に飛び回るが、やはり重さが勝ってしまう、
娯楽作としてはいまひとつ、シリアス偏重のファンもそのビジュアルで見ない、と、色々問題を抱えてもなお、ファンにとっては愛さずにはいられない、
当時すでに明確に示さねばならなかった、映像ソフトを販売して制作費を回収するタイプのアニメにおいての「売り」(セールスポイント)が何所にあるのかわからないというマニア向けアニメとしては致命的欠陥を抱えながら、好評のうちに第二期が製作、放映された事が、その証明である。
(当時のスタッフの弁によると第三期も構想されていたらしい。)
本作発表時には映像ソフトの主流はビデオとLDであり、無論それらで本作のソフトが発売されたが、DVDの登場と共にすぐさま最初のDVD−BOXが発売された程の人気作であり、(第一期のみ、二期はばら売り、一期のBOXの余剰スペースに二期のDVDを入れる想定で作られていた。)そして10年余の時を越え「ちっちゃな海賊」は三度出航す!
君が気に入ったならこの船に乗れ!共にドカンと星屑蹴散らそう!!
追記
本レビューを発表したその日に、本作の主演声優「川上とも子」氏の訃報を聴いた、
本当に芝居の上手い役者さんで、特に本作の主人公「ミト」のようなちょっとブスの記号が入ったブス可愛い役をやらせたら右に出る者のいない、
日本一の「ブスカワ」声優だった、
41年という、決して長いとは言えない人生を最後まで流星のごとく演技に懸けて駆け抜けた、
彼女の演じた愛らしい少女達も宇宙ガエルの親友の少年もそして息子想いの母親も、
皆われ等の生涯の友である。