本書は2つの部と付録のソースコードからなる。第1部「EJBパターン」では、パターンとは何かについて述べた後、階層間のデータ転送に関するパターン、トランザクションと永続性に関するパターン、クライアントサイドEJBの対話に関するパターン、主キーの生成方法について解説する。これらのテーマは話の流れから任意に選ばれたものではなく、いずれのパターンも環境に依存しない汎用性の高いEJBを構築するうえで、非常に重要なポイントとなっている。
第2部「EJBのデザインと実装の最適解」では、タイトルどおりパターンの実装について解説する。ここでは、J2EEの階層ごとのパターンや、AntによるビルドとJUnitによる単体テスト、エンティティBeanを使用しない場合の代替手段(JDOなど)、そしてEJBデザインのヒントについて述べているが、実際の開発に即した形で書かれているため、すでに開発に着手している人、または近々開発に入る人はここから読み始めてもよいかもしれない。「開発者は責任を持って単体テストを書くべし」という言葉からもわかるように、パターンが開発行為全体に影響することを意識できるだろう。ちなみに、エンティティBeanの重さを嫌った場合の対処法について解説しているが、著者自身はエンティティBeanの使用に否定的ではない。
著者は本書の目的を「よいデザインを広め、アプリケーションの品質を向上させ、ひいては開発者の生活の質全般を向上させること」としている。本書が徹夜続きの開発者の福音となるかどうか、ぜひ試していただきたい。(大脇太一)
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