スピリチュアルに関心を持っている芸能人は実は多い。しかしとんちんかんな理解ばかりで、本当の意味で理解している人は少なく感じる。そういう中、本作を読む前は正直SUGIZO氏もその一人だろうなぐらいにしか思っていなかった。
しかし、である…内容を見て驚かされた。彼は相当深い理解を持っている。そこいらの芸能人とは一味もふた味も違うのだ。誠に人は外見では、はかれないとはこういう事を言うのか。
まず精神世界でもかなりマニアックなEctonという存在を知っていたということ。これだけでも違うと思わせるのだが、本書に明かされる彼の稚い時からの自然な霊的世界への憧憬といった背景を知る事で、それが間違いでなかった事を確信する。
彼が非常に勉強熱心である事も、本作のところどころに自然と出てくる。「風邪をひくのと同じことですよね」こういう合いの手は、野口晴哉や好転現象について認識がないとできない。
コラムで目を引いたのは、中道への認識。これも相当経験の有る人でないと書けない文章であった。
またSUGIZO氏は栄光に浸りながらも、それにおごることはなかった、とエクトンは感嘆する。
時折本書で見せる、愛娘への深い慈しみの言葉にも胸を打つものがあり、そこはかとなくではあるがお人柄も偲ばれた。
本作、見所はたくさん有るが、中でもセッション8での成功、幸福の定義については秀逸。
この定義とそれを得るテクニックを知っているか知らないかでは、大きく人生が違ってくると思える。こういう知識を今の富裕層が知れば、本当に世の中が大きく変わる気がする。
何より現世で誰から見ても普通に成功者であるはず、のSUGIZO氏が成功を感じられない、幸福を感じられない、こう正直に、また切実に問い掛けてくれた事(それが潜在意識からであろうと)に大きな意味が有る。この役割は彼の立場である事で、大きな意味と説得力を持つものだと考えられないだろうか。私には偶然には思えない。
レイアウトではさりげなく適度に行間が開いている為、読むのが容易いのも実に洒落ている。最近めっきり他社に押されがちだったVoiceが久々に出した会心のブッキングと言っていいだろう。