ノルウェー生まれのヤン・ガルバレクはキース・ジャレットと並び、ECMレコードを代表するアーティストである。その作品はサイドメンとして参加したものを含めると、この時点で52作にも及ぶ。
この2枚組のコンピレーション・アルバムは、1974-1995年の間に録音した23枚のアルバムから24曲を彼自身が選曲したもので、1枚目はリーダー・アルバムから、2枚目は合作またはサイド参加のアルバムから、それぞれ年代順に曲が並んでいて、ガルバレクの音楽的な変遷をたどる上でも興味深く聴くことができるようになっている。
また、このアルバムはECMを代表する他のユニークなアーティストたちの音源としても活用できる。ガルバレクはここに短い文章を寄せているが、総帥アイヒャーへの感謝とともに、キーァ1¨の出会いについて敬愛を込めて語っている。ガルバレクが参加したキースのアルバムから4曲も選出されていることが、その思いを物語っているようだ。キースの名曲「My Song」が入っているが、キース自身のコンピレーション・アルバムにも同曲が呼応するかのように入っていることは、キースもまた、同じ思いを持っているということだろうか。
ガルバレクの音楽は、初期のコルトレーン的なスタイルから徐々にJAZZの枠をはみ出し、民俗音楽的なアプローチを経て、北欧の自然を思わせる壮大なスケールを感じさせ、宇宙的な、祈りのようなものに変貌しつつある。アルバムの最後の曲は、古楽の男声グループ、ヒリアード・アンサンブルとの合作『Offcium』からの作品だが、このタダモノではない美しさは、今後の彼の音楽を期待させるものだろう。