この本は素敵だった。
というのも追悼本にありがちな、とりあえず掻き集めたというペラペラしたものではなかったからだ。
著者今井の30年以上にわたる取材の分厚い蓄積と、著者との関係性の中で見せる清志郎の姿が豊かに見えてくる。
この作品では“RC”という残像のなかで、今井は変化する清志郎にときに戸惑い、時に共感する。
そんな今井の葛藤の姿に清志郎から“学び”変質していく姿も垣間見えるものだ。
いわば清志郎を愛した今井の自伝でもある。
清志郎に対する深い愛情ゆえの葛藤ともいえるその姿は、読む側にも著者への共感や反発が生じる。
それは、対象に真摯に対峙したものだけが得られる感覚でもある。
その真摯さが、多くの追悼本と画すると感させるのだ。
装丁も“追悼モノ”にありがちな、カラーの写真がベタベタ写真が張られたものでなく、エッセンスのにじみ出るような一枚一枚を選び抜いてある。
そう、この一冊には“愛しあってるかい”と問い続けた清志郎への返答に、満ちた愛情を感じるのである。
ロッキングオンの清志郎特集も素晴らしかったが、こちらも買って損はしない。
清志郎に少しでも関心のある方はぜひ手にとってもらえたらとお勧めする