アンとナンシーのウィルソン姉妹がフロントに陣取るアメリカのロックバンド、ハートが1976年に発表したデビュー作です。なんといっても
80年代後半のグラマラスな黄金時代が知名度として高いですが、初期ハート素晴らしいですよ。この一枚もとてもデビュー作とは思えない。
一番の特徴として挙げれるのがやはりヴォーカル。アン・ウィルソンのあけっぴろげソウルテイストな高音ヴォイス。
続いてナンシー・ウィルソンの刹那系アコギ。これが一種のギャンブルめいた魅力になってることも相違ない。そして同じくギタリストの
ロジャー・フィッシャーはシーン全体で鑑みたとき地味な位置づけしかもらえてないが素晴らしい仕事人だと思うの。音楽性というより
質感が新しいのはこの人の影響だろう。ちょっとピーター・ガブリエルと同じような匂いを感じる。
リズム陣は非常に完成されてる。故にフロントとちょっとしたギャップがある。このメンバーでは長続きしなかったが、上質な偶然もある。
多分にフォーク・ロックの要素を含んだハード・ロックだが、一筋縄では行かない落ちつきのない構成。涼しい風格に不安定な肉付けが
なんともいえないのが初期の魅力だろう。
冒頭「Magic Man」にそれがよく出てる。メンバー各々の感性が美事に融和し、動きに富んだ構成とリズミカルな均衡性を生みだしている。
個人的に愛聴しているのは七曲目の「(Love Me Like Music)I'll Be Your Song」だ。澄んだ明るい光が親密に降り注ぐよう。聴いてると
どうしようもなく愛情を掻き立てられるナンバー。これをリピートしてると幸せなの。極楽なの。それは高鳴りすぎ?いやしかし。。
最後になったが一番の聴きどころはやはり三曲目の「Crazy on You」。ツェッペリン風のかっこいいナンバー。ここでのアン姉さんは
かっこよすぎます。まさにロバート・プラントみたいと言われる所以なのだ。しびれてみて下さいな。