大好きな作品だけに、何よりも配役が心配でした。
やはり思い入れが激しい分、思い描くイメージとあまりにもかけ離れていると
落胆も激しいもの。それならば、いっそ聴きたくありません。
なので、リサーチは入念に。
陣内役の「帝王」森川氏は文句なしの万歳ものでしたが、天海役の小野大輔氏のことは存じ上げず
彼の所属するプロダクションのボイスサンプルを視聴し「これならば、よし!」とばかりに
購入、全神経を耳にして聴きました。
天海は、回想シーンで17歳、21歳、現在の29歳と登場しますが、小野氏はまさにそれぞれの
時の天海の陣内に対する心の機微や葛藤、年齢による成長や変化を細やかに表現していて、
こちらの想像以上に「天海」でした。
森川氏演じる陣内は、「さすが!」と感嘆するしかないほどに、みごとにヘタれていて、
それでいて優しく包容力に溢れ、大人ゆえの臆病さや知性が滲み出ていて、小説の行間を余すところなく
表現しながら、それでいて無駄な贅肉のいっさいない「陣内拓朗37歳」という人生と人間そのものを
感じさせてくれる見事なものでした。
そんな森川氏と対等に渡り合った小野氏。すごいです。上手いです。最高です。色っぽいです。
しかも最近にはたぶん珍しく、お決まりのブックレットに声優の顔写真や本編の後のフリートークも
一切なく、おかげさまで余韻をぶち壊されることもなく、現実に引き戻されることもなく美しく物語に
酔いしれることが出来ました。(声優さんファンの方には不評かもしれませんが)
配役、演出、構成などなど、まったくストレスを感じない(私個人にとって)完璧なCDドラマでした。
素晴しいっっ!!!!!