クレーンゲームは「ゲームセンターは不良のたまり場」というイメージの払拭に大きく貢献し、ゲームとしての奥深さも備えています。しかしながら、このクレーンゲームに関する書籍は意外と少なく、クレーンゲームを本格的に始めて1ヶ月、ウェブでの攻略情報収集から、新たな情報を求めて本書にたどり着きました。
著者の中島由佳氏は「TVチャンピオンクレーンゲーム王選手権2連覇」「AOU(全日本アミューズメント施設営業者協会連合会)公認プロ」「JAMMA(日本アミューズメントマシン工業協会)プライズ部会公認」の肩書きを持っており、帯には酒井敏也氏の太鼓判と「TV・新聞で話題沸騰」「この番組に著者出演♪」というアオリが踊っています。
本書は業界のバックアップを受けているだけあり、簡素なイラストではなく、全編フルカラー印刷かつ実際の写真が用いられているのは高ポイント。しかしながら、大きな写真が多数を占めている一方で文字量が非常に少ないため、活字に慣れている私にとっては物足りなさを感じます。巻末には申し訳程度に「プライズゲームクロニクル」と題したシリーズ筐体の紹介があるものの、小さい写真と30文字程度の説明に止まっており、資料的価値は低いといわざるを得ません。
初級編(お菓子をすくうショベル系)・中級編(コンビニキャッチャー系)の攻略方法に至っては、筐体に記されている操作方法や、店舗が筐体に掲示しているアドバイスを読めば普通気がつくはずのレベルの言及に止まっています(これが分からない”超”初心者も多いわけですが…)。主流となっている上級編(クレーンゲーム)では、AOU 公式ウェブサイト上で取り上げられている攻略コンテンツと全く同じもので、各種プライズメーカーの公式ウェブサイトでも同様の攻略コンテンツが公開されています。
また、公式の協力も得ているためか、いわゆる”確率機”や違法な景品の存在など、裏話的なものが一切記述されておらず、サブカル本特有の面白みが感じられませんでした。
そのため、このブックレビューを読むことのできる程度の基本的なITリテラシがあれば、本書を買う必要はないと判断しました。「クレーンゲーム女王」の名に恥じないよう、純粋な情報の”質”で勝負して欲しかったです。また、別の著者からも同様の解説書が出て欲しいと思います。クレーンゲームの技術面については、掘り下げる余地がまだまだあると感じているからです。
厳しい書き方になってしまいましたが、以上より「星2つ」とさせていただきます。