「もうそろそろBLも買い尽くしたかな…」と黄昏れていた頃、入手した一冊。
…………最初「やっちまった…」と頭を抱えたのに!!!
いまだかつてない斬新なシチュエーションのボーイズラブでした。
読めば、何故表紙に受けの青年がいないのか、彼がなかなか挿絵に現れないのか
わかるとは思いますが、「ど、どうなるんだ一体…」とこの買い物が果たして
失敗だったかそうでなかったか、本の半分を読み終わる前に、
「ああ終わらないで欲しい!」と切実に願うはめに。
バリバリのゲイで「俺様」な裕一が、マザコンで関取サイズの年上上司・今蔵と
とあるトラブルで無人島に二人きりに。
我が侭放題の今蔵にウンザリする裕一だったが、なんとだんだんと彼の肉のたるみや
真っ白な肌に欲情し始めてしまう。
変わって行く二人の関係の描写も細やかだし、何より裕一の父性愛的包容力が良い。
何も知らない温室育ちの「僕ちゃん」な今蔵をゲイの道に引きずり込んでしまうにも関わらず、
家族の前でカミングアウトした男らしさや、今蔵へ向ける彼の真摯な姿勢が見事。
しかも「彼は自分がハンサム男なのに、相手の美醜に左右されない」というのが高ポイント。
だけど…この男の性欲って壮絶。でもちゃんと一人前に社会人やってるので
彼の欠点が余り目立たない…。
一方、最初は肥満児王子様だった今蔵が、無人島で裕一に鍛えられ、成長していく
過程も微笑ましい。…ほられちゃうけど…。笑
外見のコンプレックスでかたくなになったまま、大人になっちゃうこんな人、本当にいそう。
そして母親から卒業してソムリエ見習いとして自立していく彼も一途で好感度高い。
シリーズものらしいですね。たまたま新装版を購入したのですが、他のシリーズもぜひ
読みたいと思いました!
ワンパターンな展開のBLに飽きてしまった人でも、心ほんわかとさせられます。