メレディス・モンクという人をどう説明したらいいだろう。彼女は歌手であり作曲家であり俳優であり舞踊家であり演出家であり監督でもある。彼女ほどアーティスト、あるいはパフォーマーという呼び方がぴったり当てはまる人はなかなかいないだろう。
モンクは1942年ペルーの生まれ、学生時代からパフォーマンス活動を始め、大学卒業後は数々の芸術賞を受賞している。現代アメリカン・パフォーミング・アートを牽引してきた立役者の一人であると言ってよい。彼女が一貫してこだわっているのが音楽、それも人間の“声”である。泣き声、呻き声、叫び、笑い、スキャット、歌、言葉......人声が持つ様々な可能性を追求し、駆使し、モンク独自の世界を築き上げている。
この「Dolmen Music」は彼女の1981年にリリースされた音楽アルバムである。(本作以前の録音としてライブ録音の「Key」、ヴァンガードに録音された2作品をカップリングした「Song From The Hill/Tablet」などがリリースされている。)乱暴に言えば、ここには彼女の音楽スタイルのほぼ全てがある。ポピュラー・ミュージックの定義に当てはまらない故に、聴く人によってはアヴァンギャルドで難解、奇妙な音に聞こえるかも知れないが、このアルバムで聴ける、まさに“解放された精神”、“開かれた音”、そして“人声の多彩さ”は、清々しく時には神々しくもある。言葉ではなく、表現として、人間のあらゆる営みや精神、人間を取り巻く時間と世界を感じさせてくれる。
余談だが本作のオープニングに収録されている“Gotham Lullaby” はビョーク (Bjork) がコンサートなどで度々カヴァーしてファンの話題になった。