充実した社会学入門書:
社会学とは何かという問いから始まり、少年犯罪、グローバル化、格差社会から人間の幸福まで(順不同)、多くの重要な側面から社会のありさまを概説・考察している。各章の量も長すぎず短すぎずまとまっていて、かつ説得力があり、また身近な社会学的な問いも各章にちりばめられている。参考文献も比較的読みやすいものから古典まで紹介されている。例えば大学受験に際して社会学部も考えている人も、曖昧に捉えられがちな社会学とは何であるかがある程度分かると思う。
手軽かつ読み込める一冊:
章ごとに筆者が異なり、読者の考えと異なる場合もあると思うが、それもまた面白く読める点だと思う。他の分野の勉強をした人や自分のような初心者も、批判的にとまではいかないかもしれないが、本書を読むことが一歩引いて様々な社会現象をみる契機となり得ると思う。そしてかつて社会学を専攻したような人でも、きっと復習がてら読める内容だと思う。
最後の方に現代の諸問題を解決する方法とその重要性についての言及があるが、方法の詳細は示されていない。しかしそれを常に模索して提案してゆくのが社会学の存在意義であるというメッセージを受け取れば良いと思う。そして読者がその営みに気付くことが肝要なのだと思う。