1994年作品。ビル・ラズウエルと組んだエレクトリック・ハービー。なんと言っても彼ら二人の組み合わせで有名なのは『Future Shock』だと思うが、
『Future Shock』→1983年
『Dis Is Da Drum』→1994年
『Future 2 Future』→2001年
となっていて、ビル・ラズウエルと組んだエレクトリック・ハービーの80年代・90年代・2000年代の変遷が聴けることになる。強烈だった『Future Shock』のあと、彼らがどんな音楽をやりたいと思っているのかが感じられる。なにしろ僕に言わせればエレクトリック・ハービー自体がマイルスとの怒濤の日々に無理矢理引っ張り出されたハービー・ハンコックの音楽的別人格であって、『Speak Like a Child』あたりのアコースティックのピアニストとは全く別人格である。
一番感じるのは楽器自体が余りに進歩してしまったことに対して自身のやりたいこと・自己表現をどこに見いだすかを考えるようになったということのような気がする。90年代の『Dis Is Da Drum』の表題曲『Dis Is Da Drum』ではビル・ラズウエルの個性は没していて、リズム自体のおもしろさにチカラが注がれている感じがする。そこがとても面白い。バカがつくほどテクニックがあるのをどちらも隠して曲作りをしている感じだ。当然ながらここにはジャズの欠片も感じられない。そこが素晴らしい。完全に音楽的二重人格である。