TM networkからTMNへの移行期に制作された初のソロ。
これ今、聴くと大変おもしろい作品です。
導入したばかりのシンクラビアをフルに使うことだけに尽力を注ぎ込んだような、独特のデジタルサウンド(音に丸さがない)が、とても新鮮に聴こえます。
これ以降に出したソロ、もしくはTMNのアルバムにはない、研ぎ澄まされた集中力があり、歌詞一つとっても、ビートへの乗せ方に極限まで気を使っており、日本語を英語のごとく切れ目なく歌うことに成功しています。(もちろんの小室の声質と歌詞の内容はこの際、気にしないで聴くこと)
この頃の小室哲哉の才気は確かに本物だったと思います。大衆に受けることを肯定的に捉えながらも、常に新しい既聴感のないサウンド作りを目指していた気がします。それが、どうもカラオケ文化に目線が移ったあたりから、独自のメロディーを捨て、レイヴやR&Bなどを踏襲した形での曲作りをするようになり、最新ではあるけど風化も早くなってしまったように思います。
TMの初期や、この「degitalian~」を聴くと、当時の最新だったサウンドの懐かしさというよりも、どこかいびつなNEW-WAVE的感触を兼ね備えていたことが分かります。ヒットメイカーとしての小室はもう充分に認知されたし、本人も飽きてきたことだろうから、ここいらで、全くプロモーションなど気にせずに、音楽家として極端に実験的な作品を作ってもらいたく思います。