リミックス盤というと、大抵の場合オリジナルに遠く及ばない内容が殆どだが、この作品は別格だ。
ディスク1に前作「マナフォン」からの変奏(remix)が6曲、新作が6曲の計12曲。 ディスク2に18分ほどのアンビエント1曲が収録されている。
remixを含めて、曲の多くには弦楽四重奏(ヴァイオリン2、ビオラ1、チェロ1)によるアンサンブルがメインに配され、より現代音楽的になっています。
かつてピエール・ブーレーズに師事していたという現代作曲家、藤倉大によるストリングスアレンジによって、より緊張度が増して躍動感のあるサウンドに変貌しています。 曲によっては即興演奏か?と思う様な所もあり、弦楽アンサンブル、エレクトロニクスが混然一体となったバックにシルヴィアンのヴォーカルが相まって、もう尋常ではない完成度です。
デヴィッド・シルヴィアンはずっとこういう作品を作りたいと思っていたのではないでしょうか。 以前シルヴィアンが武満徹さんと一緒に何か作りたいと思っていると言っているのをどこかで読んだ覚えがあります。
個人的におすすめは3曲目「I SHOULD NOT DARE」7曲目「SNOW WHITE IN APPALACHIA」です。マナフォン国内盤のボーナストラックでもある4曲目もやはり良いです。
前作マナフォンは「深い森」をイメージさせましたが、今作は「幽玄の美」で禅寺の枯山水や水墨画を想起させます。
対となる2作あわせて楽しんでいます。