サードアルバムを高く評価させてもらったが、前期となれば、やはり本作である。
一般的にSDREの代表作と称されているものだし、シーンの名盤として必ず名前の挙がる、
94年リリースの記念すべきファーストアルバムだ。
この頃はまだオルタナらしく、緩急を操ったギターナンバーが大変かっこよろしい。
所によってはかなり声を荒げ、叫びに近い熱唱を見せる個所もある。
しかし、聴き終えた後に残るのは繊細さや心地良い仄暗さなのだ。
かなり内省的な、言わば自問自答するメロディーラインには耐久力があるし、
型にはまった見え透いた哀愁ではなく、無自覚のもとに生み出された叙情性のようなものを感じる。
アンサンブルの緩急、並びに曲展開もわざとらしいギミックさは無く、
ナチュラル且つ情感に訴える押し引き・駆け引きである。
独特なフレーズの癖をドラマティックな楽曲へと見事昇華させた初期の代表曲トラック3だとか、
或いはピアノを用いた暗黒の三拍子トラック7からラストトラックへと続く一連の流れ、
このどんどん深みへ深みへ潜り込んでいく流れを聴く限り、
SDREはいまだ孤高であると言いきって差し支えないだろう。
ただ、正直に書くと、SDREは好みが分かれるのも事実である。
前期と後期では一本筋は通っているものの、サウンドの指向や印象は大分異なるのだ。
リスナーを安易にふるい分けるつもりは無いが、あくまでも目安として、
「後期は凄いと思うけど正直どうも苦手」という方は本作に代表される前期を、
「この手のギターバンドに今更夢中になるのはやや厳しい」という方は後期の作品を、
聴いてみたらいかがだろうか。