サウンド面で大方向転換した作品(1991年作)。このアルバム以前と以後ではサウンドが大きく異なります。
特徴としては、リズム面で生音の割合がかなり高くなっています。80年代のプリンスのサウンドではリズムマシーンが大活躍し、ライブでもリズムマシーンのみでやる曲もあったようですが、このアルバム以降、現在(2007年)に至るまで、ほぼすべての曲でドラマーが演奏するようになりました。また、余り語られていないことですが、プリンスがミキシング等の裏方作業を初めて100%他人に委ねたことにより、"平均的なポップスター的ゴージャス感"な音質になっています。
生音が増えた分、以前のサウンドにあった鋭利な感じや、ストレンジな部分は後退しましたが、バンドサウンド特有の厚みと暖かみが出てきました。本作はそれを活かしてプリンス流60年代サウンドリバイバルが繰り広げられています。「Daddy Pop」「Cream」など曲名からして、いかにも"あの時代"な感じで、スローな曲ではジャジー感が濃厚。
しかし、91年当時流行していたニュージャックスイング、ヒップホップ、ハウスと比べるとかなり地味に感じられ、個人的な推測ですが、派手さを出すために後から「Thunder」と「Gett Off」が追加されたのではないかと思います。この2曲は明らかに本作のカラーからは外れています。(裏ジャケでシングルB面となった「Horny Pony」が見え消しされているのはそのせい?)
ラップの導入とか、過去の曲の焼き直しと思われるような曲があるためか、コアなファンからは保守的と捉えられ、評価が低いですが、プリンスの90年代の作品中、最も良いセールスを収めた作品となりました。なんという皮肉。orz
賛否両論の多い作品ではありますが、80年代以降、ブラックミュージックはデジタル楽器による"打ち込みサウンド"が中心となるなか、本作は"打ち込みサウンド"の生音への変換に挑んだ先駆的な作品として再評価されてほしいな、と思います。