ダウンロード・オンリーの5th、および初のライブ盤を経てリリースされた6thアルバム。先に編成のことを書いておくと、今作ではかねてより不安定な動向を見せていたドラムのNick Jagoに代わり、The Raveonettesのツアー・ドラマーも務めていたLeah Shapiroが加わるという新体制となっている。
が、イントロが鳴った瞬間にそうだと判る、その音が放つアイデンティティはまるで変わらず。警告めいた光を放つ硬質のクールネス、揺らぐ紫煙のような退廃の色香が匂い立つ漆黒のグルーヴ。泥臭いパーカション、気怠るい歌唱が輪廻し有機的な轟音へと膨れ上がるオープナー"Beat The Devil's Tattoo"からしてカッコ良すぎる!泥臭いそのルーツを曝しながらも、今時のスマートさを十二分に備えたプリミティヴなロケンロー。3rdを洗練したようであり、2ndを煮詰めたような、あるいは1stを膨らませてみせたようでもある印象の今作は、要するにこのバンドでしかありえない音を鳴らす、裏切ることのないヴィジョンに充ちている。
ライブではかなりヤヴァいことになりそうな"Conscience Killer"は、かつてなく性急に爆ぜる音がコトバが鮮烈なキラーチューン。韻律や歌いまわしにOASISばりの大衆性も感じる"Shadow's Keeper"、紅蓮のノイズが背後で迸る"Mama Taught Me Better"、日常のささやかな祈りにも似た光が充ちる"Sweet Feeling"、振り落とされるヴァイオレンスなリフに、「声」という人力の昂揚が混濁する"Aya"などなど、随所で殺傷性の高い爆弾を炸裂させながら、ある意味一つの到達点でもあった4th"Baby 81"をうまい具合に煮詰め、溶解させている。そうした意味でアルバム全体が描く輪郭は少し漠とはしているが、それが逆に全像のスケール感を増しているようにすら感じられ、なにより、アルバム全体が描くバランス感がかつてなく素晴らしい!アコースティックな柔らかさ、ブルージィな渋み、パンキッシュな鮮烈さ、あるいは剥き出しの煽情性までも、そのどれもがナチュラルにハマって響く今作の出来は相当に良い。内々のゴタゴタは別として、作品としてはかなり良い具合に数を重ねていっている感じがする。そしてそして、祝・来日決定!