NYを舞台としたファッション誌編集長アシスタントのドタバタ劇。正直、この類のネタは好きだ。ハリウッドにはこういうアイディアの上質な映画がけっこうあって、かなり楽しんでいる。しかし本作は最高のネタに恵まれながら、小説としてのデキはかなりお粗末。主人公のアタフタを描く文章自体もギクシャクし不明晰。洋書のレビューでも触れられていたが、描くべき事の要・不要と優先順位が整理されていないため、文章の問題と相まって描写のズームイン・アウトがちぐはぐで全体を通してテンポと立体感が無く、冗長な構成の中にネタを平坦かつ散漫に詰め込み過ぎただけの結果に終わっている。少なくともあと3.4回はリライトが必要な状態ではないか?この完成度では日本の公募新人賞の最終選考にも残らない。しかし、映画化を睨むと脚本にする段階でもっと整理して完成度を上げれば、題材としては最高だろう。それにアメリカで売れたのも分かる。「VOUGE」の編集長アシスタントだった著者の業界裏話的小説となればマスマーケットの興味を引くに十分だ。ただ逆に言えば、それ以外何も輝きは無い。『著者の話題性とネタがハリウッド用に使える』との老獪な大人達の判断があったから出版できただけ、の小説じゃないかなぁ・・・。