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80年代後半から90年代初頭の日本では、ユーロロックと言えばイタリア物の発掘&オリジナル盤高騰時代を経て、ヨーロッパのネタが尽き掛けて来ると南米・北欧と広がり、ぐるりと帰ってブリティッシュ再発ラッシュへと繋がるような流れで推移した。その間、不思議なほどジャーマンロックの人気は低迷し、顧みられる機会は少なかった。
しかしテクノの新しい波到来と共に、おそらく歴史上初めてと言っていいくらい、70年代ドイツのグループは再評価されるようになる。特にノイとクラスターについては、リリース時と90年代の評価に天と地ほどの差が生まれたことが興味深い。
ハルモニアというグループは、クラスターの!2!!人とノイからのミヒャエル・ローテルによるプロジェクトである。2枚のアルバムを残した。「デラックス」は2ndアルバムである。エレクロトニクスを駆使した、テクノプップやアンビエントを思い切り先取りしたような、心地よい音響に溢れた傑作だ。
この作品、国内盤リリース当時のレコード評はみな「けちょんけちょん」(そもそも何カ所で取り上げられたことか・・・)。ユーロロック専門誌の先駆、フールズメイトにおいてすら決して推薦されているとは言えない評価に甘んじている。つまりは「漂うような、心地よい、それでいてつかみ所のない」音響をどう受け止めればいいのか、みな分からなかったのである。
「時代とかけ離れていた」が故にまったく放っておかれた作品が、20年経って絶賛される。そして!「!!時代に先んじた」、「時代を超えた」作品として多くの新しい聴衆を得た。この断絶の激しさはノイ、クラスターを上回る。ハルモニアの「デラックス」は「発掘された名作」の中でも、最も期待を裏切らない傑作である。
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