オーケストラを多用したポップな編曲でカントリーの主流となったナッシュヴィル・サウンドの、チェット・アトキンスと並び称されるプロデューサー、オーウェン・ブラッドリーが発掘した歌手、ブレンダ・リーの主なポップスのヒット(57年〜60年代)とカントリーのヒット(70年代)を収めたベストです。
プレスリーを意識した子供時代のパンチの効いた歌い方からポップスでの繊細な歌い回しまでしっかりしたアルトで、一、二回聞いただけで歌詞から音程から何までマスターしたという才能を発揮しています。同じくオーウェン・ブラッドリーのプロデュースを受けていたパッツィ・クラインの切ない感情表現とバックに比べると、明るい白人の女の子向けのポップスやバラードはロックやソウルが好きな私としてはどうしても古くさく聞こえます。それでも、イギリスでアニマルズのプロデューサーの下での Is It True? はあのジミー・ペイジがギターを弾きまくっていたりと、こういう美空ひばりの「真っ赤な太陽」を思わせるはっちゃけぶりは意外な発見です。
当時彼女のファンだった日本人には、日本にゆかりのある曲が入ったベストの方がなじみがあると思うのですが、アメリカでのポップス/カントリー・ヒットをそつなく収めたこの一枚は、60年代初期のガール・ポップのバラードものが好きだった人には入りやすい内容だと思います。