耳に障害を持つ少年フランキー。
彼の楽しみは、ACCRA号で世界中を旅する父親から届く手紙を読み、返事を書くこと。だが、実はその手紙は母リジーが“船乗りの「父」”を装ってフランキー宛に書いているものだった。リジーは、フランキーの耳を難聴にした張本人でもある暴力夫をフランキーから遠ざけるため、幼いフランキーを連れ家を飛び出し夫から身を隠しつつ、フランキーには「父は船乗り」と嘘をついて夫の存在を隠していたのだった。
そんな中、本物のACCRA号が町の港に寄港することになる。父に会えると期待するフランキー。リジーは息子のため、1日だけフランキーの父を演じてくれるよう見知らぬ男に依頼するが…。
息子を想う一心で、架空の父として手紙を送る母の嘘が思いがけない展開を引き起こしてしまうという愛と再生の物語。グラスゴーの美しい風景を舞台にして親子の絆、人の温かさが繊細に描かれています。所々で流れるピアノ音楽も優しく、美しくてとても素敵です。
1日限りの父親役を引き受けた名もない男を演じたジェラルドが作品にとても深みを与えています。無骨で閉鎖的な中に、思いやりと優しさをにじませた演技がすばらしいです!「オペラ座の怪人」とは一変、新たな魅力を披露しています。
ほろりと泣けて、だけど温かい・・・。すごくビタースウィート。日々の生活の中の、小さな幸せの大切さを教えてくれる・・・そんな作品です。