ロメロが『ゾンビ』の製作費捻出に四苦八苦していた時に、その資金回収のために一役買ったアルジェントが、『サスペリア』などで組んでいたゴブリンに同作品の音楽を任せることになった。だがロメロが欲していたサウンドとは方向性が違っていたというギャップから、ヨーロッパ圏内向けにアルジェントが編集したものと、アメリカ国内で上映したロメロの編集版とではBGMがかなり違うといった事態が生じる。
しかし過去『ゾンビ』のサウンドトラックとして発売されてきたのは、あくまでヨーロッパ圏ならびに日本で上映されたアルジェント監修版で鳴り響いたゴブリンの担当曲を集めたものだけだったので、26年ぶりの商品化となる今回のロメロ版スコアCDはファン待望の1枚といえるだろう。
既製のストック音楽をあつめたこのアルバムは、いまどきのCDとしては音質が悪く、モノラルとステレオが混在する僅か38分程度のトータルタイム。しかしロメロ版ゾンビのファンにとっては、そういった瑣末なことは問題ではない。
エンドタイトルにも流れている、ショッピングモール店内の呑気でコミカルなBGM“THE GONK”がまっさらの状態で聴けただけで涙々。ゴブリンのサントラを持っている人なら、こちらも是非揃えたい所だ。