ピアニスト、デイブ・マッケナがテナー・サックスの名手ズート・シムズを相方に、1974年10月に
吹き込んだカルテット・セッションである。彼らは1960年にベツレヘムに録音した「Down Home」
(ズート名義、名盤)で共演している。だから本作はズートの「お返し」である。マッケナは1930年
生まれながらバップ色が薄く、スイング色の濃いピアニストなので、やや保守的なズートとの相性は良く、
期待通りのゴキゲンな出来になっている。共演はメイジャー・ホリー(b)とレイ・モスカ(ds)で、カル
テットである。
全13曲。うち#10〜#13の4曲はCD追加曲である。追加曲はいずれも原LPでも取り上げていた。#10は
#2と同曲ながら、#2のts+pのデュオに対しb,dsの入ったカルテットなので、「追加の価値あり」と思う。
これ以外の3曲は同じフォーマットのts入りカルテットなので、私はこれ故に価値を上げたとまでは
言わない。ニコニコと聴くのだが。
#1〜10の10曲の内訳はpソロ2曲、ts+pのデュオ1曲、他7曲はsax入りのカルテットである。カル
テット7曲中、ズートは2曲でss、他5曲ではtsを吹いている。いずれもスイング感に溢れていて気分
良く聴ける。私はssが必ずしも好きでないのだが、ズートの吹くssは表情豊かで好きである。共演者では
ベーシスト、ホリーが強力で、弓弾きと同じメロディをハミングする技を披露している。
革新的な冒険よりも、スイングする楽しさをより多く聴きたいときに良いアルバム。