72年作。イタリアを代表するプログレバンドBANCOの最高傑作とも言われる2nd。1stと並んで大好きな、私にとってはそれこそ英国5大プログレバンドの名作群よりも大切な作品です。前作よりもシンセの活躍が増える。シンセ類・オルガンとピアノとが絶妙の呼吸・コンビネーションで飛び交う。複雑なアンサンブル、荒々しい攻撃性、アバンギャルドさ、クラシックの美と浪漫、ジャズの小粋さ、カンツォーネ風の哀愁あふれる歌など、バンコの様々な要素がどれも極端な形で現れ、過激にぶつかり合う。むき出しの感情。演奏・歌ともに全体を不安げで悲劇的な雰囲気が覆う。高音質のBlu-spec CDでの再発だが、2004年のリマスターを使っており、新しくリマスターされたわけではない。さほど変わらない気がする。
「革命」はクラシカルでロマンチックな美と荒々しい疾走とがスリリングに行き交う。序盤はチェンバロ・ピアノ等に乗せ悲哀に満ちた美しい歌声が響いて盛り上がり(涙無しには聞けない)、そこからハードに走り出す演奏と熱いがどこか情緒不安定な歌に興奮!キーボードが目まぐるしく駆け巡る展開、混沌、再び熱く走り歌い出す展開を経て後半に現れるピアノ・オルガン等がハモる教会音楽のような旋律はそれまでの展開との対比ですさまじく感動的。「征服」は機械でできた化物が煙をあげ火を吹きながら追いかけてくるみたいな、ダークで殺気立った演奏。ピアノ・オルガンがホラーに叩きつけられ、ギター・シンセが悲鳴をあげる。終盤、クラシカルな美メロで歌い出すボーカルは絶望的なまでに物憂げで悲嘆にくれている。胸の空洞を吹きすさぶ風が痛い…聞いてて泣きそうになる。「卑劣漢の踊り」はジャジー、お洒落だがうらぶれた空気。「100の手と100の瞳」はクラシカルで勇ましい旋律の演奏・歌が猛り狂って疾走。牙をむき噛み付くオルガン。切迫感漂わせつつも気品・高貴さを失わぬピアノ。鍵盤と組み合うベース・ギター。火傷しそうな熱さ。「75万年前の愛」はピアノ伴奏でオペラ風に歌い上げるボーカル。悲愴なメロディ、激しく嘆き訴えかけるような歌声に圧倒される。息が止まりそうなほどの感動が押し寄せる。「悲惨な物語」は寂しげなクラリネットや怪しい語りが印象的。鬼気迫る表情でひた走る演奏にピアノが飛び込んでくる瞬間はハッと息を呑む美しさ。「疑問」はチェンバロや管楽器など様々な音が緩やかに舞い、歌声も踊るようだが、サーカスが去った後のような寂しさ虚しさが滲む。