本作のVHS版のレビューを拝見してどうしても観たくなり購入致しました。
コンゴ独立時に過激派シンバ一派から孤立した白人市民と5000万ドルのダイヤモンドを救出する為に派遣された傭兵を主人公とした戦争アクション物の傑作です。
英国テクニカラーの父(「天国への階段」「赤い靴」、e.t.c.)と言われる名撮影監督出身のジャック・カーディフによるメトロカラ―のぎらついた感触で撮られた戦場シーンは本作のちょっと前に撮られた「特攻大作戦」より遥かに酷く、驚かされます。
特に一般市民や捕虜に対するレイプ・拷問・虐殺の描写はそれまでのアメリカ戦争映画には無いリアルさで、本作を撮る前に当時のコンゴを調査しその様子に衝撃を受けたカーディフ監督の「起こった事は出来得る限り撮る」と言う信念が良く出ています。
その様な殺伐とした描写と、ボクシングやライフ・セイバーとして鍛えた陽性のロッド・テイラー演じるカリーとアメフトの超一流選手から俳優に転業したジム・ブラウン演じるルッフォのダイナミックな娯楽アクションが混在して居るのが特徴です。
特に一度敵の手に落ちたダイヤを奪回に街に戻るシーンの緊迫感とアクションは素晴らしいの一言。
他にも本作内の悪業を一挙に引きうけた元ナチの傭兵指揮官、ヘンライン(ペーター・カルスタイン)とカリーの2度に渡る後味の悪い格闘や、映画内屈指の絶望が描かれた機関車から切り離された避難民を満載した客車が暴徒の制圧する駅へと線路を逆走して行くシーン等、強烈なイメージが連続します。
傭兵になってもスワスチカのバッチと鉄十字章を手放さないヘンラインの狂気も後のベトナム帰還兵に似た境遇を隠喩していますし、傭兵のカリーが母国の為に戦うコンゴ人のルッフォとの対話を重ねて人間的に悩み、最後にある決断をする様子も深みが有ります。
ルッフォを演じるジム・ブラウンは厳つい顔ながら知性・優しさ・戦闘力を兼ね備えた素晴らしい役柄で一世一代の好演です。
名花イベット・ミミュウが往路の汽車内でカリーとヘンラインの諍いの元になる健気な避難民を、ケネス・モア(「史上最大の作戦」)がアル中ながら最後に侠気を見せる医師役を、アンドレ・モレル(BBC版クォーターマス博士役、ハマーフィルム「バスカヴィル家の魔犬」のワトソン博士)がダイヤ管理責任者の紳士を悲痛なまでに好演しています。
カルヴィン・ロックハート(「ジョアンナ」「マイラ」「ロールスロイスに銀の銃」)が短い出番ながら印象深いコンゴの政治家Ubiを演じています。
イングロリアス・バスターズでも引用されたピアノの旋律を生かした素晴らしいメイン・テーマを含む音楽はバッハのJAZZアレンジで一世を風靡したジャック・ルーシェが担当しています。
本商品は比較的廉価で映像もリマスターされて居ますがDVD-Rフォーマットで、特典は予告編のみでした。