1st〜3rdで美麗なクリーン、極悪なグロウルと器用に歌声使い分けられていたヴォーカリスト、「クリスチャン・アルヴェスタム」の脱退後に製作されたのがこの作品。
通常、バンドの「顔」であるヴォーカルが交代するとバンドのイメージそのものが変化してしまう(前任が上手であればある程)のが常だが、
なんとデス声担当「ロバート・カールソン」と、前任者と声質が似ているクリーン担当の「ラーズ・パームクヴィスト」のツインヴォーカル体制で危機を乗り越え、なお且つ音楽的にパワーアップしメンバー脱退を感じさせないと言う、奇跡にも近い事をやってのけた。(メンバーのバンドにかける熱い想いがそうさせたのだろう)
前作の曲が、アトモスフェリックな空間美を活かした近未来型メロデスを展開しており、楽曲その物の完成度は非常に高かったが、今作もそれにまったく引けを取らない完成度である。
冒頭から非常にクサーいギターが飛び出し、その後も複雑な曲展開をコンパクトにまとめられ、楽曲に隙が無い。また前作がミドルテンポの曲が多かったのに対して今作は速いテンポの曲の比率が増え、アルバムの緩急が付いている。
9曲目の「A Parenthesis in Eternity」と言う曲の出来が特に素晴らしく、
クリーンのアルペジオから徐々にテンポが上がって行き、美しいサビメロの裏で早弾きの裏メロのハーモニーが鳴り、ギターソロもテクニカルかつメロディアス。
ラストの「Radiant Strain」も素晴らしいサビメロで盛り上がり、アルバム一枚があっと言う間に聴き通せてしまう。
兎に角、良い意味でキャッチ―であり、メタル初心者にも安心して勧められる。世に氾濫しているメタルコア勢とは一線を画す出来だと思う。
また今作は通常盤とスペシャルエディションの二種類があり、こちらはデジパック仕様でボーナスとして「Pariah」が追加収録。
これがボーナストラックと思えない程、良曲なので購入の際はスペシャルエディションを勧めます。
(日本盤にもボーナスとして収録されています)