Charaの新作を聴くのは「
夜明けまえ」以来、8年のご無沙汰。何となく初期作品を連想させる派手な彼女のメイク写真を
押し出したジャケットに心が躍り久々に聴いた彼女の最新作、これがすごく良い。
一時期の作品で感じられた自らの殻の内に籠った感じから、初期の若さとポップな弾け具合が戻ってきた楽しい作品に
仕上がっている。
具体的にはソウル・ヒップホップの影響を窺わせた初期の名作「
Junior Sweet」辺りの強いビート感覚が復活し、とても引
き締った音になっている。強いビートに引っ張られる様に彼女自身の歌も勢いとめりはりを増した感じ。
ただし「Junior Sweet」よりも上物としてのサウンドはより個性的になり、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような楽しく可
愛らしい音で一杯、音の感触は「
マドリガル」辺りに通じるものがある。歌・サウンド両方に聴き処十分。
今回全10曲中7曲でサウンド・プロデュースを担当しているmabanuaなる人物が本作のキーパーソン。彼は自らも作品
を発表する日本人ドラマー兼ビートメーカー。彼の面白い処はビートだけでなく、トータルなサウンド創りにセンスを感じら
れること。ベル・ハンドクラップ・子どもの声等を絶妙に散りばめたがやがやとしたプロダクションは、彼女のコケティッシュ
な声と抜群の相性をみせる。
主役のChara自身の歌唱は以前よりもシャウトする部分が増えた印象。彼女の個性とも言える、心の中に未消化な状態
で残ることばをそのまま形にした様な独特の歌詞表現も健在。歌詞だけ読むと理解しがたいが、彼女の声に乗せられる
と何故か切なさが心に刺さる不思議な力がある。
彼女の場合、本作の様に外部の才能を積極的に呼び込んだ方が風通しの良い作品が創れるのかも。彼女の初期トイ・ポ
ップやソウル風味の作品がお好きな方は、是非試聴してみることをお薦めする。