3)が,向こうでは有名なオーディション番組で,不合格者の退場曲に選ばれたお陰でヒット。一躍時の人となったらしい彼は,1971年ブリティッシュ・コロンビア州オカナガン・ヴァレー出身のカナダ人。オカナガン渓谷と聞いてもオゴポゴしか思い浮かばんこのあっし。2005年に一世を風靡した本録音を定価で買おう筈もなく,拾ったのは皆さまお馴染み250円コーナーでございますともさ。
彼の名前を知らない方も,ヒットした3)は耳にしたことがあろう。時代を反映し,リズムトラックこそドラムンベースっぽくもあるが,上ものはピアノと最小限の弦と管。今どき珍しい生音重視のピアノマン・タイプで好感を持った。一発屋は往々にして,アルバムを聴くと堕曲揃いでがっかりするもの。そこへ行くとこの人は,やや捻り足りないながら小粒な佳曲が揃い,曲書きの能力はある模様。何でも地元の音大まで進んだものの,楽譜が読めなかったため二年で中退。人の書いた曲が読めないなら自分で作るしかない・・と一念発起したのが,今日の成功を手にするきっかけになったというから世の中分からない。
今どきの若者にこんな喩えは通用しまいが,声質自体はメロウなロッド・スチュワートやブライアン・ジョンソン(AC/DC),ないしジャミロクワイのジェイ系。ハスキーなハイ・トーンだ。この辺もちょっぴり好みが分かれるかも知れぬ。ちなみに彼,この2008年9月に新作を発表したとか。本盤では3)の二の矢を放てず終わった彼にとり,ここでヒットできるかどうかは一つの正念場。一発屋で終わるか否か,まさしく崖っぷちであろう。幸運を。