前作までのイメージを完全に払拭した正に新生T.Rexという感じの作品です。実際にボラン以外のメンバーは一新されています。シンプルで引き締まった演奏は新メンバーの力量も大きいのでしょうが、今聴いても全く古さを感じられないほど洗練されています。使用されている楽器・・・特にキーボード類の変化が曲そのもののイメージの変化にも大きな影響を与えています。従来ならメロトロンや生のストリングスが被せてあるであろう部分はソリーナに変わり、リードやベースなどではミニムーグと思われるシンセが頻繁に出てくるのですが、この音色のセンスがすこぶる良い。シンセと気が付かないほどうまく使用されています。珍しいところでは曲によってはクラビも登場してきます。ハモンドやサックスも従来とは聞こえ方が全然違います。やはり無駄な音を省いたことが良い結果を生んだのでしょう。変則的なリズムを取り入れた Jaaon B. Sad や従来通りのブギ、I Love To Boogie など全曲に変化があって、かつ統一感があるという典型的な名盤ですが、今までの重圧なアレンジがされていない (いわゆるT・レックスのイメージとはちょっと違う) のでこれがT・レックスの代表作とは言いにくいのですが、それでもどこをどう聴いても紛れもないT・レックスのサウンド。特にT・レックスの食わず嫌いの人にお薦めしたいと思います。