スウェーデンはストックホルム出身のデス&プログレッシヴメタルバンド「Opeth」が2003年にリリースした7作目です。2002年リリースの「Deliverance」がバンドとしても暴力性と醜悪な一面を見せた「ダークサイド」として位置づけるなら、間髪入れずに発表されたこのアルバムは「叙情性」と「リリカルな一面」をのぞかせる「アコースティックサイド」という年度をまたがる遠大な2部構成になっています。
いわゆる疾走系のデスメタルを期待する人にとって、ここで展開されるアコースティカルでリリカルとも言えるサウンドは、かなり拍子抜けすることと思います。リーダー兼ボーカルのミカエル・オーカーフェルトの歌声は、かのジョン・ウエットンを髣髴とさせる憂いを帯びたもので、単なるクリアーボイスでは終わらない奥深さを感じさせます。その意味でもキング・クリムゾンやUKあたりの70年代プログレファンをも惹きつける魅力があります。
このアルバムだけ聴くと、「何だ」ということになってしまいますが、あくまでも彼らがもつ音楽的な多面性の一部として捉えるべきでしょう。前出の「Deliverance」と合わせて聴くことはもちろん、まったく対称的な音楽性が動く映像で楽しめる「Lamentations: Live at Shepherd's Bush Empire」(2004年)も合わせて鑑賞することで、彼らの本質に近づくことができるでしょう。