Eが作る音世界がなぜこんなに美しく、聴く人の想像をたくましくさせるのか?それは多分、メロディーの美しさを最大限に引き出すような作り方を体得しているからだろう。例えば、音楽にとってメロディーとはどんなに世の中が変わったとしてもやはりサウンドのコアではないかと思う。そんな美しいメロディーを掘り出したばかりのダイヤモンドの原石だと考えると、それは美しくなるのかもしれないが、ただしその原石に手間ひまをかけ、磨き、カットすることを終えて、ようやくダイヤとしての美しさが発揮されるはず。つまり美しいメロディーをじゃらーんとアコギ一本で作りだせる人がいたとしても、それはまだまだ"原石"の段階で、それからアレンジ等を工夫していく過程で、リスナーを感動させる曲になるのか、それとも作り手の満足感だけをさらした曲になるのかが決定されるのである。そういう風に考えると、イールズの創り出すサウンドは"どのくらいカットしたら最も光り輝くダイヤモンドになるのか?"ということに対して常に気を配って作られているように感じられるのである。・・・今作は前作よりももっと生楽器が多用されているように思える。アコギを爪弾く音、バンジョーの陽気なサウンド、美しく優しいメロディーを奏でるピアノ、ところどころでフューチャーされるストリングスなどなど、これまでのEELSサウンドとは一味違った内容で、これまでのファンにも新たなファンにも強烈なアピールができる音である。<MASTER OF MUSIC>