表題作「Daddy Long Legs」は、個人的には2006年に出会った少女漫画ナンバーワン。
ジーン・ウェブスターの「あしながおじさん」を、近代日本を舞台に移して
翻訳、というよりはリメイクしてマンガにした作品。
ほのぼのとした勝田さんの絵柄が、ユーモアあふれる「あしながおじさん」の
世界観を、すんなりと昔のニッポンに置き換えているところが見事。着物、帽子、
避暑地、牧場の動物たちなど、そのまま塗り絵にしてもかわいいかも、みたいな
シンプルな線で無駄なく愛らしく描かれている。
ウェブスターの書いたもとの小説「あしながおじさん」は、手紙形式だったため
ヒロインの一人称で描かれ、ヒロインの生活や気持ちに沿って物語は進む。しかし、
こちらの物語では、彼女と反発しあったりもしつつ惹かれあう「坊ちゃま」側の
モノローグもあり、彼→彼女、の気持ちも読めるので、ラブストーリーとして
より心のうつりかわりを楽しめる。
少女小説の傑作から、少女漫画の傑作が生まれたので皆さん読みましょう!と
自信をもってお薦めしたい1冊です。
以下余談。
こんなタッチで、少女時代に読んだあの話もこの話もマンガでまた読めたら
どんなにいいだろう、と、勝田版の「赤毛のアン」や「若草物語」なんかを
少女小説マニアだったものでつい夢見てしまうのでした。