私はこの本+DVDを読むまで「妄想があるということは異常だ」と思っていました。しかし、この本+DVDを読んだ後、「正常なのか異常なのかという考え方自体が妄想だ」と価値観が逆転してしまいました。
ただ、このような偏見の解消は、私が今まで「べてるの家」という活動を知らなかっただけのことであって、先に「べてるの家」の活動を知っていれば、もっと早く私の偏見は解消していたのかもしれません。ただその場合、「どうしてこういう活動が成り立つのだろうか? 不思議だなぁ?」という疑問は解消されなかったでしょうし、「素晴らしいな」とは思っても、「どうして成功しているのか」「この成功から自分が学べることはあるのか」ということは、わからずじまいだったでしょう。しかし、一見マジックのように見えるものの裏には「たね」も「しかけ」もあるのであり、そしてこの「認知行動療法、べてる式。」という本+DVDの素晴らしい点は、その「たね」「しかけ」の部分を認知行動療法という視点から、特に「構造化」という視点から解き明かしたことだと思います
すでに伊藤絵美先生の「DVD 認知療法・認知行動療法カウンセリング 初級ワークショップ」や「認知療法・認知行動療法面接の実際」のDVDを見ていたのですが、その際にはまだ「なぜ面接を構造化しなければいけないのか」「なぜアセスメントが重要なのか」ということが十分には理解できていませんでした。しかしこの「べてる式」を読んで、それがすっかり腑に落ちた気がします。
認知行動療法をこれから学ぼうという人にぜひお勧めしたい本だと思います。