王たるものの気品、権威、寛大な心、そして美貌を加えてローレンス・オリビエの若年の最高作品だと思います。
ヘンリー5世を演じたローレンス・オリヴィエはこの作品でサー(貴族の称号)の称号を与えられます。
それくらい力の入った、名演でした。
シェークスピアの原作は4部作になっていて、わんぱくなハル王子としての少年時、青年時代を経て「ヘンリー5世」のフランス遠征での勝利、フランス王位獲得で終わります。
圧倒的な人数のフランス軍を相手に劣勢の英国軍、戦闘前夜の「聖クリスピンの祭日(Saint Crispin's Day)」の草稿はあまりにも有名です。
「今日を無事生き延びて、国に帰る者は、聖クリスピアンという名を聞くたびに自分を誇らしく思うであろう。
そして安らかな老年を迎えられた者は、その前夜祭の度に人々に向かって言うだろう「明日は聖クリスピアンだ」。そして袖をめくり、傷を見せながらこう言うのだ「この傷は、聖クリスピアンの日に受けた」。
たとえ他の事を全て忘れたとしても、自分がその日に立てた手柄だけは、必ず思い出すに違いない。そして我々の名は、彼らによって何度も繰り返されるのだ。
国王ハリー、ベッドフォードにエクスター、ウォーリックにタルボット、ソウルズベリーにグロスター、決して忘れられる事のない名前だ。
この物語は父から子へ語り継がれ、聖クリスピアンの度に思い出される。今日から世界の終わる日まで、我々の事も思い出されるのだ。我々は、ここに居る我々は兄弟の一団だ。
今日私と共に血を流す者は、私の兄弟だからだ。イングランドに残った貴族たちは、ここに居なかった己の身を呪い、引け目を感じるに違いない。我々の仲間が、聖クリスピアンの手柄話をする度に。」
戦いはフランス軍の惨敗に終わります。フランス将兵1万に対し、英国はわずか500人の戦死者と言われているのは少し大げさかな、と思いますが圧勝でした。
英国の歴史は入り組んでいて特にフランスの王位継承権はどうなっているのか解りにくいですが、この映画で少し婚姻関係のメカニズムが理解できました。