「ゴッド・ファーザー」公開直後に製作されたせいか、雨後のたけのこ的な評価を受けがちですが、個人的には名作だと思っています。
モデルはそれまで謎だと思われていたマフィア(コーザ・ノストラ)の内幕を初めて白日の下に晒した実在のバラキです。組織内のごたごたで命を狙われて当局に寝返った構成員です。
「ゴッド・ファーザー」はドンから見た上から目線でしたが、本作は下っ端から見た下から目線です。組織の恐ろしさをより身近に感じてしまいます。そんな下っ端の役をチャールス・ブロンソンが好演しています。ちっともカッコよくないです。ドンはリノ・ヴァンチェラです。個人的には大げさなマーロン・ブランドよりも好きな俳優です。昔のフランス映画ではジャン・ギャバンの位牌を継ぐような存在でした。
監督は007第一作「ドクター・ノオ」のテレンス・ヤングです。スクリーンでジェームス・ボンドのキャラクターをショーン・コネリーを使って創造した監督です。イギリスの監督なのですが、何気に本作のようなアメリカの裏面史的な作品を撮っています。KKK(クー・クラックス・クラン)団をリー・マーヴィン主演で撮った「クランスマン」なんて作品もあります。
ダンディで豪快な人だったらしく、稼いだお金は全て、知り合いを大勢集めて、贅沢な馬鹿騒ぎをし、ほとんど宵越のお金は持っていなかったと言います。知り合いの俳優を何気に使ってあげるやさしさもあります。本作では「ドクター・ノオ」のドクター・ノオ役のジョセフ・ワイズマンが何気に出ています。「クランスマン」では「サンダーボール作戦」の敵役ボンドガール、ルチアナ・パルッツイが出ていました。
本作に限らず、テレンス・ヤングはもっと評価されてもいいと思います。監督としてだけではなく人間として興味があります。伝記なんてないでしょうけど・・・・