現在200万人程度であるアメリカ・インディアンは、コロンブスのアメリカ到達以前には5000万人以上はいたとも言われる。
インディアン達は白人に勝手に土地を奪われ、抵抗すれば武力弾圧され、親兄弟を虐殺されて現代に至る。
本作では無抵抗の村民を皆殺しにした「サンドクリークの大虐殺」を描いた作品であり、終盤の残酷描写はどんな戦争映画をも上回る。
本作が製作されたのは、ベトナム戦争が激化して米軍によるベトナム村民虐殺などの話題により反戦反米思想が渦巻いていた時代が背景になっている。
サンドクリークを描くことで戦争全体に対する強烈な戦争批判となっているが、本作が単なる批判映画ではなく、映画そのものとして優れているのは脚本にあると思う。
確かに大虐殺へ向けてストーリーは集約していくが、それまでは主人公の男女による和気藹々とした、見方によってはコメディタッチな描写もある。恋の要素もあり、風変わりな「ある世の出来事」的な展開とも思える。
楽しさから一気に奈落の底へ突き落とされるような…主人公の真理をリアルに追随するような体験を観客は味わうことになる。
無抵抗なアメリカインディアンへの虐殺はこの事件の他にも「ウォシタ川」や「ウンデット・ニー」など数多くあり、多くの虐殺の上に今のアメリカが築かれている。
さらにその後の歴史ではアフリカから40万人以上の人々を拉致して奴隷化したのだから…。
まさに「勝てば官軍…」といったところだろう。
因みに本作では触れられていないが、虐殺を命令したチビングトン大佐はその後、事の真相が暴露されて不遇の内に生涯を終える。
リアルな残酷描写の為に子供にはお勧めできないが、人間の歴史として観るべき映画かもしれない。
なおジャケットのイラストは本編のシーンとは何ら関係のないイメージ画である。