ポーランドのシンフォニック・メタルバンドのデビューアルバム。
RHAPSODY OF FIRE(以下ROF)が切り開いたシンフォニック・メタルの正当伝承者とも言えるスタイル。今までにも雨後の竹の子のごとくシンフォメタル・バンドが結成されては消えてきたが、このバンドはそういったフォロワーの中でも頭1つ、いや2つ抜きん出ていると思われる。
全般的に尺は長いが、畳み掛けるような劇的展開と印象的なメロディのためダレることはない。そのドラマティックさに一役かっているのが、所々に挿入されるソプラノ・ヴォーカルで、これが非常にいいアクセントになっている。その辺のねーちゃんが「ソプラノのマネ」をしているのではない、かなり本格的なソプラノなのがいい。この手はヴォーカルが残念なことが多いのだが、及第点以上なのも強みだ。
疾走感においてはROFにないものをもっている。DRAGON FORCEに代表される最近のメロディック・スピードメタルの疾走感を取り入れているのも大きな特徴であり、魅力でもある。緻密なシンフォニック・アレンジによる劇的展開、クラシカルで印象的なメロディライン、メロスピばりの疾走感と、この手を好むマニアの心を鷲掴みにする要素がぎっしり。誤解がないように書くと、このバンドはあくまでシンフォニックメタル・バンドであり、メロスピ・バンドではない。なので、疾走だけを期待すると肩すかしを食らう。このバンドの本質は、あくまで劇的展開にある。数多くのシンフォ・メタルバンドを聴いてきたが、このバンドは非常に出来がいい。次のアルバムが楽しみ。
フェバリットは10分超という長尺ながら、まさに劇的展開で怒濤のラストになだれ込む13曲目「Beyond The Space, Beyond The Time」。8分30秒超えたあたりからの展開(ソプラノが入るところ)は何度聴いても鳥肌が立つ。