クラブミュージック、ダンス音楽からノリを排し、リズムを脱臼させることで踊れるという性能のかわりに、音のパーツ配置やテクスチュア、響きの骨格のようなものを意識化させることでは右に出る者のいない音響作家オウテカ。
このアルバムの音づくりのバランス良さを基準にしてオウテカの他作品を見れば、confield はノイズもしくはアンビエントに寄りすぎ、chiastic slide はやや冗長であり、untilted はリズムが執拗すぎると受け取れるかもしれない。
つまり、構成におけるバランスの良さの点ではオウテカ諸作品のなかでトップと言っていいと思う。
個々にはノイズやSEのようにしか聞こえない抽象的な音像を巧みに配置し織り上げていくことで、まさにジャケットの図像のような異空間を想起させる特異な音響構造物を描き出すオウテカの作風での、構成美における頂点。
緻密きわまりないプログラミング。
個人的には confield がいちばん好きなのだが、本作、confield、untilted をそれぞれの特性が分化した鉄壁の3部作としていいのではないかと思う。