最盛期、しかも自分たちが経営していたライブハウスでのライブ音源という貴重な名盤。
リマスタリングされたことにより、米軍兵士たちの喧騒、ジョージ紫の典雅なMCもはっきり聞こえ、それらが当時の沖縄、コザの多国籍さや熱気の残り香を与えてくれる。
ホームタウンでの演奏もあって各メンバーのプレイも生き生きとしている。
宮永英一のドラムは激しく、雷鳴のように、比嘉清正のギターは波のようにうねり、重く、下地行男のギターはそれを援護し、手堅さをアピール、城間俊雄のベースは地味ながらも職人技のフィンガーピッキングで魅せ、城間正男は決して器用でないものの、歌声に狂おしさと切なさを漲らせ、そしてジョージ紫は粘度の強いハモンドの音色をフルに使って狂気を帯びた演奏を披露している。
特に"Double dealing woman"のイントロではホラー映画「サスペリア」のテーマを織り込んでいるが、その音色の濃度には敬意と畏怖を感じるほどだ。
この頃の紫をリアルタイムで見れなかったことが惜しまれる。再評価され、過去の音源や映像がリリースされればいいのだが。
さて、この再発盤だが、2007年に徳間が再発したものに比べて厚めのジャケット、ブックレット式にした当時の歌詞カードとライナーノーツというのは工夫が凝らされてうれしいが、インナースリーブがないのと、とってつけたように一枚紙で封入されている大野祥之のライナーノーツ(しかも三作品とも同じ文章)
を入れるくらいならインナースリーブを入れるべきであった。その箇所が気になるので星四つ。